SEOの主要アップデートの要点を時系列とともに把握しておこう!
Googleはユーザーにより有益なコンテンツ・情報を提供できるように、アップデートを繰り返し、検索エンジンの最適化(SEO)を行っています。
そこで、今までに何度も行われてきたGoogleのSEOアップデートの中で主要なものをピックアップし、要点と時系列をまとめてみました。
アップデートを時系列を追って学ぶことで、よりSEOの理解が深まることでしょう!
SEOアップデートを時系列で学ぶ意味・メリット
SEOアップデートを時系列で学ぶ意味
サイト運営者は日々、検索結果で上位表示されることを目指してSEO対策を行っています。
なぜSEO対策をするのか。それは、自サイトが上位表示されれば検索ユーザーに見つけてもらえる可能性が上がり、集客につながるからです。
しかしながら、中には、Googleが重視している「ユーザーにとって価値があるコンテンツの提供」という目的を無視し、上位表示させるためだけにSEOの穴を見つけて不正をはたらく人もいます。
価値の低いサイトを上位表示させてしまったら、ユーザーにとって時間の浪費になってしまうのは言うまでもなく、そのサイトを表示したGoogleの信用も失ってしまいます。
よりユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供するために、日々GoogleはSEOのアルゴリズムをアップデートをしています。
時系列で学ぶことで、「なぜこのようなアップデートがされたのか」というのが理解しやすくなります。
SEOアップデートについて時系列で整理し、網羅的に紹介しているページが思ったより少なかったので、この記事を作成しました。
ぜひSEOの学習やSEO検定対策など有効活用してください!
本記事をおすすめする人
この記事は以下の方におすすめです。
- SEOのアップデートについて時系列順に学んで整理したい方
- SEO初心者、ブログ運営初心者の方。
- SEO検定の学習をしている方。
- SEOの主要アップデートの要点を知りたい方
SEOの主要アップデート12選を時系列順に紹介
パンダアップデート(2011年2月)
パンダアップデートでは、コンテンツの「品質」に関する評価を厳しくしました。
時間をかけて作成したコンテンツをコピーされて、それが自分のサイトよりも上位表示されていたら嫌ですよね?
しかも、検索して表示されたすべてのサイトの内容が同じようなものだと、ユーザーにとっては無意味な情報になります。
オリジナリティのある「独自性の高い」コンテンツや、「専門性や信頼性の高い」コンテンツ作りを求められるようになったのです。
ポイントは以下の通りです。
- 独自性の低いWebページの検索順位が下げられる。
- 同じサイト(同一ドメイン)内で内容が重複したページがあると、検索順位が下げられる。
- 閲覧数が多い人気度の高いサイトが上位表示される。
- 内容が充実していて、信頼性の高いコンテンツが上位表示される。
ヴェニスアップデート(2012年2月)
ヴェニスアップデートでは、「検索ユーザーの位置情報が反映される」ようになりました。
例えば、関西に住んでいる人が「喫茶店 おすすめ」と検索すると、関西にあるおすすめの喫茶店を紹介しているサイトが上位表示される、といった感じです。
最近だと、天気予報を調べるとき、地域名をわざわざ入力しなくても、今いる場所の天気情報が出てきたりもしますね。ユーザーにとっては、入力の手間が省けて非常に便利です。
ポイントは以下の通りです。
- 検索ユーザーの位置情報に合わせた検索結果が表示される!
ペンギンアップデート(2012年4月)
ペンギンアップデートでは、「過剰なSEO最適化」を行うサイトにペナルティが与えられるようになりました。
例えば、「脱毛 大阪」というキーワードで上位表示を狙って作成したページに、過剰に「脱毛 大阪」というキーワードを含めた文章があるようなものです。
また、被リンク数の多いサイトは”人気があるサイト”だと認識されて、上位表示される傾向が昔はありました。
そのアルゴリズム(規則性・性質)を利用して、被リンクを買いまくることで上位表示させるサイトもあったようです。
過剰に含まれたキーワードを含んだ文章は読みづらいですし、被リンクを買いまくっているサイトが必ずしも質のいい記事を書いているとは限りません。つまり、どちらもユーザーにとって有益性の低いコンテンツになる傾向にあるので、ペンギンアップデートでそのような不正行為にペナルティを与えるようになったのです。
ポイントは以下の通りです。
- 過剰にキーワードを含めているWebページにペナルティを与えた。
- 金銭のやり取りで得たような、質の低い外部リンクを大量に集めるサイトにペナルティを与えた。
ハミングバードアップデート(2013年9月)
ハミングバードアップデートでは、「複雑な検索キーワード」でも対応できるようになりました。
複雑な検索キーワードとは、例えば、「歯ブラシ おすすめ 価格」などのような単語の羅列ではなく、「おすすめの歯ブラシと価格」というような長いキーワードになっているようなもののことを指します。長いキーワードでも適切に検索結果に反映されるようになりました。
ポイントは以下の通りです。
- 文や会話調などの複雑な検索キーワードでも対応できるようになった。
パイレーツアップデート(2014年10月)
パイレーツアップデートでは、違法なコンテンツや著作権侵害したサイトにペナルティを与えるようになりました。
たまにニュースになる、漫画の違法アップロード、映像コンテンツの違法アップロード等は著作権侵害となります。本に書かれている文章をそのままコピーしている(引用ルールが守られていない)というようなものも著作権侵害でペナルティの対象となります。
最悪の場合、サイトは検索順位を下げられるだけでは済まされず、消される可能性もあります。訴えられれば裁判、損害賠償請求されるリスクも伴うことでしょう。
ただ、AIだけで違法サイトかどうか判断するのは難しく、一般ユーザーから専門フォームに申告してもらったり、Googleの方が人的に対応されていたりするようです。
当然のことですが、サイト運営者は著作権侵害という違法行為をしていないか、点検を行いましょう。
ポイントは以下の通りです。
- 違法コンテンツ、著作権侵害したサイトにペナルティが与えられる。
モバイルフレンドリーアップデート(2015年4月)
モバイルフレンドリーアップデートでは、PC版Googleとモバイル版Googleで検索結果が異なるようになりました。
モバイル版Googleでは、モバイル端末に対応したWebサイトの検索順位が上がるように。
スマートフォンが十分に普及したころのアップデートですね。
一般に、モバイル端末はPC画面よりも小さく、性能も異なります。モバイル端末に対応していないと、文字が小さく読みにくかったり、ボタンが小さくてクリックしにくかったりして、ユーザーの利便性を損なうことになります。
スマートフォンで検索したり、動画を見たりすることが一般的になった今、いかにモバイル端末に最適化されたWebさいとになっているかが重要になっています。
ポイントは以下の通りです。
- PC版Googleとモバイル版Googleで検索結果が異なるようになった。
- Webサイトのモバイル対応が求められるように(サイトの軽量化、レスポンシブデザイン等)
クオリティアップデート(2015年5月)
クオリティアップデートでは、高品質なコンテンツの検索順位が上がるよう、アルゴリズムの精度が上がりました。
これまでのアップデートの精度がさらに上がった、という認識で大丈夫です。
高品質なコンテンツとは……
- E-E-A-T(経験-専門性-権威性-信頼性)の基準を満たしたコンテンツ
- 広告の配置が適切
- ユーザエクスペリエンスの高いサイト・デザイン
主に上記のものを指します。
ユーザーにとって使いやすく、信頼性の高い有益な内容であるかが、より重視されるようになりました。
ポイントは以下の通りです。
- 高品質なコンテンツ(E-E-A-T / 広告の適切な配置 / 優れたユーザエクスペリエンス)のWebページを評価し、上位表示するようになった。
医療アップデート(2017年12月)
医療アップデートでは、医学的な知見があると公的に認められた企業・団体以外が、医療に関するキーワード(病気や薬など)で上位表示できないようになりました。
現在、医療だけでなく、法律関係、美容・健康関係・技術系のサイトも、専門性のある人が監修・執筆したページでないと上位表示できなくなっています。特に、人生に大きな影響を与えるジャンルのことをまとめて「YMYLジャンル」ということもあります(Your Money or Your Life)といい、そのジャンルの国家資格を持っていない人は、YMYLジャンルで戦わないほうが良いといわれています。
認められた企業・団体だけの情報が上位表示されると、ユーザーも安心して情報を参考にできますね。
ポイントは以下の通りです。
- 医学的な知見があると認められた企業・団体のWebページが、そのキーワードで上位表示されるように。
- YMYLジャンルは高度な専門性が必要。
コアアップデート(2018年8月)
コアアップデートでは、クエリ(ユーザーの要求)と関連性の高いページが上位表示されるようになりました。
その後、何度かコアアップデートがあり、クエリの背景にあるユーザーの検索意図まで考えて上位表示されるようになりました。
つまり、ユーザーの求めているであろう情報を上位表示できるようなアルゴリズムに変更した、ということです。
検索意図(なぜそのキーワードで検索したのか)まで考えて、検索結果が反映されるのはすごいことですね。
例えば、単に「キュウリ」というキーワードでも、キュウリの栽培方法、キュウリの栄養素、キュウリを使ったレシピ……さまざまな目的のサイトがあります。ユーザーがどれを求めているのかを様々な方法で調べ、適切に検索結果を返します。
ユーザーの目的が定かでない場合は、そのキーワードに関する様々な目的のサイトが表示されることでしょう。
ポイントは以下の通りです。
- クエリと関連性の高いページが上位表示されるようになった。
- クエリの背景にあるユーザーの検索意図を読み取って、検索結果が表示されるようになった。
BERTアップデート(2019年10月)
BERTアップデートでは、長いクエリや会話調の検索でも適切にユーザーの求めている検索結果を出せるようになりました。
前述の、ハミングバードアップデートをさらに強化したようなイメージです。
今では、写真で撮って検索したり、Siriやアレクサのように話しかけるようなタイプも多数出てきました。
これまでの検索では、スペースキーを駆使しながら単語をうまく組み合わせる必要がありました。
しかし、これでは求めている情報にアクセスするのに、ある程度の検索スキルが求められることになります。
普段人に話しかけるように、文章や会話調の言葉でもその言葉の意味を理解して、検索結果を返してくれると楽ですよね。音声検索だと、入力する手間が省けますし、視覚障害や身体障害をお持ちの方にも非常に便利です。
よりユーザーの検索意図を把握する力が向上し、ユーザーが求めている最適なWebページを表示することが可能になりました。
ポイントは以下の通りです。
- 長いクエリ、会話調の検索でも対応できるようになった。
- ユーザーの検索意図をより深く理解し、最適なWebページを表示できるようになった。
ローカル検索アップデート(2019年11月)
ローカル検索アップデートでは、ローカル検索に対するユーザーの検索意図をより正確に理解し、検索結果に反映できるようになりました。
ローカル検索とは、地域性のあるキーワードでの検索を指します。
地域性のあるキーワードとは「東京都」「○○町」といった直接的なものだけではなく、美容室や病院・天気なども含まれます。
関西に住んでいる人が美容室を調べたときに、東京の美容室を紹介されてもユーザーは困りますよね?
そういった地域性のあるキーワードの検索結果をよりユーザーに合わせたものを提供できるようにアップデートされました。
また、美容室で検索した際に、それと似たキーワード「美容院」「理容室」「ヘアアレンジ」などのキーワードで作られたサイトも、ユーザーの検索意図を把握して反映することができるようになりました。
美容室を探しているときに、店名が「美容院」になっているだけで検索結果に反映されないと困りますよね。
そうしたちょっとした不具合が改善されたと思ってください。
ポイントは以下の通りです。
- 地域性のあるキーワードに関して、よりユーザーの検索意図に合わせた検索結果を表示できるようになった。
- キーワードの類義語(近い単語)もユーザーの検索意図に合わせて反映されるようになった。
ページエクスペリエンスアップデート(2021年9月)
ページエクスペリエンスアップデートでは、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)の高いWebサイトが上位表示されるようになりました。
ユーザーエクスペリエンスの高いサイトとは具体的に……
- ページの読み込み速度が速い
- インタラクティブ性(ユーザーが何かを実行したときの反映速度)が高い
- 視覚的安定性が高い(Webページのズレが少ない)
- モバイルフレンドリー(モバイル端末に対応したWebサイト)
- HTTPSセキュリティ(データ、Webページの暗号化)
- 煩わしいインタースティシャル(広告)がない
といったものになります。
ユーザーが安心して、なおかつ快適に閲覧できるWebサイトが有利になったということです。
もちろん、コンテンツの質が問われた上で、ということになります。
ポイントは以下の通りです。
- ユーザーエクスペリエンスの高いWebサイトが有利になった。
さいごに
以上、紹介したアップデートがGoogleの主要なSEOアップデートとなります。
もちろん、これ以外にも公表されていないアップデートや、細かなアップデートは多数あります。
これらのアップデートの本質には「ユーザーにとって使いやすいか、有益か」という視点が第一にある、と感じていただけたと思います。
SEOを攻略し、ユーザーにとって有益なサイトを運営するために、上記で紹介したアップデートはすべて重要なものになります。
もし、すでにサイト運営をされている方は、もう一度このアップデートに対応できているか点検してみてください。
そして、これからWebページを作成する方は、ここで紹介したアップデートの情報を参考にしながら、有益なWebページを作ってください。
また、公式から発表された最新のアップデートがあれば随時追加していきますので、時々このページを覗いていただければと思います。
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